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幸せになりたくて…… ~籠の中の鳥は自由を求めて羽ばたく~
幸せになりたくて…… ~籠の中の鳥は自由を求めて羽ばたく~
작가: 日暮ミミ♪

プロローグ Page1

last update 게시일: 2026-01-31 09:46:46

 ――あたし・ふじ里桜りおの毎日はどんよりとしたグレーだ。

 まだ結婚して二ヶ月だというのに、新婚らしい幸せとはほど遠いくらい息苦しい毎日。

 夫はあたしに興味がない。そのくせ、やたら束縛そくばくしたがる。

 外で働くことにすら、いちいち許可がいる。「妻は家に閉じ込められて、一切いっさい合切がっさいの家事をするものだ」と夫は信じているらしい。

 そして、あたしは夫に愛されていない。あたしも夫を愛していない。でも、この家を飛び出すこともできず、夫に逆らうこともできない。

 まさに〝雁字がんじがらめ〟。息がつまりそうになる。結婚は必ずしも、幸せをもたらすものではないのだ。

 あたしがなぜ、こんな〝愛のない結婚生活〟を送ることになったのか。それは、今から半年前にさかのぼる――。

   * * * *

 ――この悲劇は、ある日突然あたしの身に降りかかってきた。

「ええっ!? 借金が一億円!? どういうこと、お父さん!」

 あたしの父親は輸入食品を扱う小さな会社を経営していたのだけれど、ある時多額の不渡りを出して一億円にものぼる借金をかかえてしまったらしい。

「そんなに大きな金額、どうやって返すの!? 会社の経営もうまくいってないんでしょ? あたしのお給料じゃとても――」

「いや、そこは問題ない。もう借金問題は解決した」

「……えっ? 解決したって……どうやって?」

 あたしが戸惑っていると、母が横から口を挟んだ。

藤木グループの会長が、ウチの会社と懇意こんいにして下さっててね。ウチが困ってるなら援助してもいいって言って下さって、借金を全額肩代わりして下さったのよ」

「そんなうまい話、あるわけ……」

 藤木会長のことはあたしもよく知っていた。ふところの広い人で、慈善事業も幅広く手掛けている人物だと。

 でも、いくらそんなに太っ腹な人でも一億なんて大きな借金を何の条件もなしに肩代わりしてくれたとは思えなかった。

「その代わり、先方が条件を出してきたんだ」

「条件……?」 

 ……ああ、やっぱり。うまい話には必ずウラがある。なんだかイヤな予感がした。

「里桜、お前をご子息のまさ君と結婚させてほしいと。その条件をむなら、一億の借金を全額肩代わりしてもいいと」

「ちょっと待って! それって……政略結婚ってこと?」

 あたしは父の言葉に愕然がくぜんとなった。

 政略結婚どころじゃない。これじゃまるで身売りだ。家のために、よく知りもしない相手と結婚するなんて、あたしにとってはゲームもいいところだった。

「……ねえ、お父さん。もしあたしがその話を断ったらどうなるの?」

 この結婚話に拒否権がないということは、あたしも頭では理解できていた。でも、もし回避できる可能性がいちパーセントでも残されているなら、それに賭けたかった。……のだけれど。

「借金肩代わりの件は、白紙に戻るだろうな」

「えーーーーっ!? そんなぁ……」

 ……つまり、回避は不可能ということだった。家を救いたければ、あたしはその御曹司おんぞうしと結婚するしかない。あたしには決定権はない、と。

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최신 챕터

  • 幸せになりたくて…… ~籠の中の鳥は自由を求めて羽ばたく~   エピローグ Page3

    「……そうだ。この子の名前、考えてやらねえとな」「名前ならもう決めてあるよ。自由の〝由〟に〝羽〟で〝由羽〟」「由羽?」「うん。この子にはあたし以上に、自分の人生を自由に羽ばたいていってほしいから、その願いを込めたの」 間違ってもあたしみたいに、好きになった人の手を離さないように。周りの環境に振り回されないように、自由な人生を歩んでいってほしい。 子供の名前は、親がいちばん最初に贈るプレゼントだ。あたしがこの子に贈りたいのはその願いだけ。「……うん、いい名前じゃん。里桜とおんなじくらい、いい名前」 よかった、大智も気に入ってくれたみたいだ。あたしの名前を決めた時の父も、きっとこんな気持ちだったんだろうな。「でしょ? 由羽、ママですよー。これからよろしくね」「由羽、パパだぞー。生まれてきてくれてありがとな。――里桜、頑張って産んでくれてありがとう」「ううん。大智こそ、あたしに由羽を授けてくれて、あたしを幸せにしてくれてありがと。愛してるよ」「うん、オレも里桜のこと愛してる」 これからどんなことも三人で……ううん、まだ増えるかもしれないけれど、遠回りした分うんと幸せを積み重ねていこう。 だってあたしはもう、籠の中の鳥なんかじゃない。自由に羽ばたいていける。大好きな人の|

  • 幸せになりたくて…… ~籠の中の鳥は自由を求めて羽ばたく~   エピローグ Page2

       * * * * ――それから二ヶ月後。すでに大沢姓になり、お腹も大きくなって胎動が分かるようになってきたあたしに、思いがけないある朗報が舞い込んできた。 この頃、〈Oプランニング〉ではルナちゃんがリーダーとなって、新たな事業としてアプリを配信することになり、あたしもそれに携わっていたのだけれど。「…………ん!? 出版社からメール……、何だろ?」 オフィスで仕事中、あたしのスマホに届いたのは「あなたが投稿サイトに連載していた小説を、ぜひ当出版社で書籍化したい」という知らせだった。 趣味程度に投稿していたあのTL小説はすでに完結していて、さて次はどんなのを書こうかと構想を練っているところだった。「……ねえ大智、これ、あんたが何か関係してる?」 今日は社員たちのワークスペースで仕事をしていた夫(!)に、あたしは訊ねてみる。 あたしや〈田澤フーズ〉の経営権を取り戻していた両親にはそんな繋がりなんてあるわけがない。でも、顔の広い大智になら……。 でも、彼は「いや?」と首を横に振った。「オレにも出版社とのコネなんかねえよ。つうかオレじゃなくて、飯島さんじゃね?」「ああ~……、あり得る」 あたしと大智の大学の先輩である飯島弁護士は主に企業法務を担っていて、顧問を務めている企業も数多い。その中には出版社が含まれていても不思議じゃないかも。

  • 幸せになりたくて…… ~籠の中の鳥は自由を求めて羽ばたく~   エピローグ Page1

    「――里桜、元ダンナに言いたいこと全部言ってスッキリしたか?」 汐留のマンションに帰るクルマの中で、運転席の大智に訊ねられた助手席のあたしは「うん」と大きく頷いた。「今思えば、ウチの親子三人、何であんな人たちにヘコヘコ気を遣ってたんだろうって。ほんとバカみたい。あー、スッキリしたぁ!」 借金苦からも、藤木家との柵からも解放されて、あたしはやっと自由と本当の幸せを手に入れることができた。 これからは大智と、生まれてくるこの子と一緒に自分の人生を生きていけるのだ。「すぐには正式に籍を入れられるわけじゃないけど、とりあえずもう、あたしたちは〝夫婦〟ってことでいいよね? 大智」「ああ。……あ、そうだ。里桜、オレのバッグの中見てみ?」 ちょうど信号待ちに引っかかったタイミングで、大智はあたしが預かっている斜めがけバッグへ顎をしゃくった。「……? うん」 何が入っているのかと首を傾げながらファスナーを開け、中を探ってみると、ラッピングされた小さな箱が手に触れた。「大智……、これって」「里桜、二十六歳の誕生日おめでとう」「…………え、そっち?」 あたしは思いっきりツッコんでしまった。 確かに今日はあたしの二十六回目の誕生日だし、彼がちゃんとプレゼントを用意してくれていたのは嬉しい。嬉しい……けど、この箱の形状はどう考えたっ

  • 幸せになりたくて…… ~籠の中の鳥は自由を求めて羽ばたく~   夫(あの人)にさよならを Page2

       * * * * ――翌日は朝食を済ませてから、あたしと大智は彼のクルマで赤坂のマンションへ行った。 「……う~ん、住んでた時は立派なマンションだと思ってたけど。いざ離れてみたら大したことなかったんだなぁ、ここって」 住人でなくなった今、訪問者の目で見た感想はそんなものだ。少し大きいだけでごくありふれたオートロック付きのマンション。それを立派だと思っていたのは、少なからず藤木家の権威を感じていたからかもしれない。「確かに、ウチのマンションとそんなに変わんねえよな。住み心地はどうよ、里桜?」「もちろん、今大智と一緒に暮らしてるあのマンションの方が断然いいよ。やっぱり、好きな人と一緒っていうのが強みかな。もちろん、間取り的にもそうなんだけどね」「だろうだろう。今オレの仕事部屋にしてるあの部屋もな、いずれは片付けてちゃんと使えるようにするつもりだから。将来的に子供部屋とか」 大智はあたしのお腹に目を遣りながら言う。〝子供部屋〟とかサラリと言えてしまうところに、あたしや生まれてくるこの子との将来を真剣に考えてくれているんだなぁと嬉しくなる。 ――持っていたカギでオートロックを抜け、最上階までエレベーターで上がり、ペントハウスにあたる元住まいのドアノブを回してみると。「……開いてる。あの人、いるみたい」「インターフォン、鳴らしてみるか?」「いいよもう。開いてるなら入っちゃおう?」 ただ置いてある荷物を引き取りに来ただけだし、別にコソコソする必要もない。堂々と上が

  • 幸せになりたくて…… ~籠の中の鳥は自由を求めて羽ばたく~   夫(あの人)にさよならを Page1

     ――翌週からあたしは正樹さんと五ヶ月間暮らしたマンションを出て、大智と同棲を始めた。 妊娠も三ヶ月目に入り、お腹の赤ちゃんも順調に育っている。大智の会社での仕事もバリバリこなし、産休を取得する八ヶ月までは働けるまで働くつもりだ。いざとなったらリモートによる在宅勤務という手もあるし。 ただ、両親を原告とする訴訟も始まるなど周りが何かと忙しすぎて、あの部屋に置いたあたしの荷物はそのまま引き上げられていない。とりあえず、当座の生活に必要なものは持ち出せたけれど――。「――里桜、明日あたり休みだし、向こうのマンションに荷物引き取りに行くか? オレも付き合うし」 オフィスで仕事をしていると、大智が思いっきりプライベート全開の調子で言った。今日は金曜日で明日からは週末だし、確かにちょうどいい機会ではあるけれど。 まだあの人が離婚届を役所に提出したという話は耳に入ってきていないので、あたしは今のところ人妻のままである。同僚のルナちゃんはあたしと大智の関係を知っていて協力してくれているけれど、他のメンバーもみんな知っているとは限らないのだ。迂闊な言動はやめてほしい。「ちょっと大智、会社でそういうプライベートな話は――」「飯島先輩から聞いたけど、もう離婚成立しそうなんだろ? だったら堂々としてればいいんじゃね?」「えっ、そうなの? あの人、離婚届出す気になったんだ?」 さすがはあたしの離婚問題と両親の訴訟、両方に関わった弁護士先生だ。そんなことまで知っていたなんて。「らしいな。つうワケで、どうするよ?」

  • 幸せになりたくて…… ~籠の中の鳥は自由を求めて羽ばたく~   対決 Page9

       * * * * あたしはそのまま実家まで飯島さんのクルマで送ってもらえることになった。「――飯島さん、今日はホントにありがとうございました」 クルマの中で、あたしは先輩にお礼を述べた。やっぱり法律の専門家が味方についていてくれると心強い。「いやいや。可愛い後輩が困ってるんだから、力になってあげたかったしな。大智の頼みでもあったし」「こんなに頼もしい先輩を持てて、あたしも大智も幸せ者です。先輩がいて下さらなかったら、この子の親権まであっちに取られてたかもしれませんから」「それは大丈夫。妊婦が離婚した場合、お腹の子の親権は母親が持つことになってるから。向こうに親権をよこせと要求する権利はないよ。父親が夫じゃないならなおさらね」 「ああ、よかった! あたし、それだけは絶対に渡さないつもりだったんで。――でも、夫婦がそれぞれ不倫してたわけじゃないですか。その場合ってどうなるんですか?」 あたしは別に慰謝料を請求するつもりはない。ただ、あの人たちにはこれ以上、あたしの幸せを壊されたくないだけだ。父への貸し剥がしの件では社会的制裁を受けることになるので、それだけでも十分、あの親子を痛めつけることができる。 ただ、あたしが慰謝料を請求されたら……? それは非常に困る。大智との結婚や出産や、これからの生活には何かとお金が必要になる。だからといって、あの人たちに出させるつもりはないけど。「どちらも不貞行為を行っていたなら、条件はイーブン。この場合、不貞行為は相殺されるからどちらも慰謝料は請求できなくなるね。里桜ちゃんは別に慰謝料が欲しかったわけじゃないんだろ?」「ええ。『慰謝料代わ

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